Q&A / Frequently Asked Questions
Q&Aコーナー
業界・団体関連
■ Q&Aコーナー > 業界・団体に関するもの
6.10 ICHには三極の当局、業界以外に、オブザーバーや招待団体があるとのことですが、その理由はなぜでしょうか
A:
ICH専門家作業部会にオブザーバーや非ICH地域の専門家が参加することにより、ICHガイドライン内容の理解向上、普及を促進することにある。なお、発言権はあるものの議決権はない。
 ICHオブザーバーはカナダ厚生省、欧州自由貿易連合であり、また、非ICH地域の専門家はICH国際協力委員会の地域代表(アジア太平洋経済協力会議、東南アジア諸国連合、米州医薬品規制調和ネットワーク、南部アフリカ開発共同体、東部アフリカ共同体、中東湾岸諸国協力会議)および規制当局(中国、台湾、韓国、インド、シンガポール、オーストラリア、ロシア、ブラジル)からなる。
回答:---
6.9 製剤機械技術学会にはトレーサビリティー委員会がありますが、トレーサビリティというのは、具体的にどのようなことなのでしょうか
A:
例えば、厚生労働省が定める「特定生物由来製品」である血液製剤 では、医療機関におけるその使用記録は20年間という長い期間の保存が義務付けられており、献血から患者様に投与されるまでの生産や流通も含めた履歴を確認できること(トレーサビリティ)が必要である。
トレーサビリティ確保の手段として2008年9月以降に出荷されている医療用医薬品には、その種類や包装形態により異なるが、商品コード、有効期限、ロット、数量をバーコードとし表示している。1) バーコード表示により機械的に医薬品を識別でき、トレーサビリティの確保に加えて、取り違いによる医療事故の防止や製品回収作業の省力化などに役立つと考えられる。
このため委員会では、製薬メーカーでのバーコードの実施状況を確認すると共に、流通業界や医療機関におけるバーコードの活用状況と課題等について調査を実施している。また、 GS1 DataBar(RSSコード)の日本の代表機関である「(財)流通システム開発センター」との意見交換も実施している。

1)平成18年9月15日付薬食安発第0915001号「医療用医薬品へのバーコード表示の実施について」厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知
回答:---
6.8 製剤機械技術研究会(製剤機械技術学会)、ISPE、PDAという団体がありますが、組織や活動などでどのような違いがあるのでしょうか
A:
  • 製剤機械技術研究会は日本国内の団体であり、米国発祥で世界中に組織のあるISPEやPDAと異なります。教育研修会や工場見学会に力を入れ、毎回多くの参加者を集めています。なお、2011年9月より一般社団法人製剤機械技術学会となりました。
  • ISPE(International Society of Pharmaceutical Engineering)の活動の大きな特徴はCOP(Communities of Practice)にあります。COPは「ある話題に対する関心、問題意識、熱意を共有し、常に交流を通じて自らの知識と専門性を深めていく人々の集団」と定義され、国際本部COPと連携して、積極的な活動が行われています。
  • PDA(Parenteral Drug Association)は当初、無菌製剤および非経口薬剤の専門的な団体として設立されましたが、現在はこの分野に留まらず、非経口剤、経口剤および原薬の医薬品全般において広く活動しています。行政当局(FDAや厚生労働省など)と密接な関係を築き、合同会議なども開催されています。
    各団体について一覧表にまとめました。
    詳細につきましては各団体のホームページなどをご参照ください。

  • 団体名 製剤機械技術研究会 ISPE PDA
    設 立 1991年に日本で設立 1980年に米国で誕生 1946年に米国で創立
    設立趣旨
    活動目的
    医薬品製剤の製造に関して、ハードとソフトの両面から巾広い業種の専門的知識と技術の融合を目的 "Engineers Pharmaceutical Innovation"をスローガンに製薬産業の触媒として新技術応用への挑戦と普及のために努力 医薬品全般(非経口薬、経口薬、原薬、バイオテクノロジー)および医療器具/用具などの無菌製剤に関する製造技術水準の向上に貢献することを目的
    会員数 850名 23,000名 10,500名
    国内組織 --- ISPE日本本部 日本PDA製薬学会
    活動内容
    (国内組織)
    総会、大会、講演会、ワークショップ、シンポジウム、教育研修会、工場見学会、委員会活動 年次大会、冬季大会、各種セミナー、地域懇話、委員会、COP活動 年次、特別講演会、シンポジウム、教育コース、委員会、インタレストグループ
    委員会などの数 委員会14、分科会5 委員会8、COP 13 委員会9
    出版物 会誌、他/span> ベースラインガイド、技術規範ガイド、GAMP実践規範ガイド 学術誌、ニュースレター
    ※表中の記載は各団体のホームページより抜粋
    回答:---
    6.7 最近CMOという団体が設立されたと聞きますが、これはどのようなことを行う団体なのでしょうか
    A:
    日本CMO協会は、医薬品製造受託企業18社が集まり、2010年11月"わが国の医薬品製造において質と量を具備した受託製造を訴求する"を目的に設立された団体です。協会には、①受託契約・補償委員会、②技術・人材育成委員会、③広報委員会があり、活発な活動が行なわれています。詳細は、日本CMO協会のホームページ(http://www.jcmoa.org/)を参照してください。
    回答:---
    6.6 医薬品の2010年問題というのは、何のことでしょうか
    A:
    2010年問題とは、2010年前後に各社の大型製品(新薬)の物質特許が切れることにより、後発医薬品の参入が起こり、各社の経営に大きな影響を起こす問題のことをいいます。
    我が国では後発医薬品が参入しても先発品である新薬の売上げが大きく落ち込むことは少ないようですが、米国では新薬の特許が切れ後発医薬品が発売されることにより、これまでの売上げが数分の1にまで低下してしまいます。 昨日まであった1000億年の売上げが、明日から500億円になる場合を想像して下さい。如何に経営に大きな影響があるか理解できると思います。具体的な製品としては、2010年エーザイの「アリセプト」、2011年ファイザーの高脂血症薬「リピトール」(全世界で約130億ドル(2008年)の売上げ)、武田薬品の糖尿病治療薬「アクトス」、2012年武田薬品の「プロプレス」、2013年エーザイの「パリエット」などが特許切れを迎えます。

    参考資料:酒井文義、"医薬品業界2010年の衝撃"、(株)かんき出版(2009)
    回答:国際委員会
    6.5 医薬品では、よくブロックバスターということを聞きますが、具体的にはどのようなものをブロックバスターと呼ぶのでしょうか。また、日本発のブロックバスターには、どのようなものがあるのでしょうか
    A:
    一般にブロックバスターとは、新しい発想で作られた画期的新薬(ピカ新)で、かつその対象疾患領域で群を抜いた売り上げを誇り、ピーク時の売り上げが10億ドル以上(日本では、売上げ1000億円以上)の医薬品が「ブロックバスター」と定義されています。しかし、ボストン・コンサルティング・グループの定義では、ピーク時のグローバルな年間売り上げが5億ドル以上の医薬品をブロックバスターと呼ぶとされています。具体的な例としては、バイアグラ(ED治療薬:ファイザー)などがあげられますが、2006年の段階で日本発のブロックバスター製品は、タケプロン、アクトス、プロブレス、クラビット、ハルナールなどが含まれています。
    回答:国際委員会
    6.4 PIC/Sについて、具体的に教えていただけませんか
    A:
    PIC/S(製薬業界の監査に関する協力の枠組みを定める協定)は、EFTAにより1970年に開始されたPharmaceutical Inspection Covention(PIC)(医薬品製造査察の相互認証に関する協定)と1995年に開始されたPharmaceutical Inspection Co―operation Sheme (PIC Sheme)(医薬品製造査察の相互認証に関する協定機構)が一緒になって、1995年11月に始まったものです。もともとは、欧州各国間の医薬品製造に関する査察の認証に関する協定(PIC)だけだったのですが、この協定とPICに参加する各国の法律の間の不一致が明らかとなり、PIC Shemeが必要となったものです。PIC/Sのホームページによりますと、その使命とは “医薬品分野における調和されたGMP基準及び査察業務に関する品質システムの国際的な開発・実施・保守への先導 (To lead the international development, implementation and maintenance of harmonised Good Manufacturing Practice (GMP) standards and quality systems of inspectorates in the field of medicinal products.)”であり、そのために調和されたGMP基準や各種ガイダンス文書の開発・推進、そして査察官を含めた関係者の訓練を実施するとしています。現在、欧州各国、カナダ、オーストラリアなど30ヶ国が加入していますが、日本や米国は未だ加入しておりません。詳細は、PIC/Sのホームページ*を参照してください。

    参考ページ:http://www.picscheme.org/index.php

    回答:国際委員会
    6.3 新薬の開発が困難になっていると聞きますが、新薬の承認を得るのはどの程度の確立で、どの位の期間・費用がかかるのでしょうか
    A:
    新薬の開発にどの位の期間がかかるかは、いろいろな所で取り上げられていますが、少しずつそのデータは異なっております。厚生労働省が平成14年に発表した資料によりますと合成された化合物の内、新薬として承認される確率は、約1/11299で、開発期間は15年〜17年となっています。宝くじの1等が当たる確率は1/10000000程度ですから、これよりもはるかに確率は高いもののリスクの高い開発であることに間違いありません。また、医薬品産業研究所 山田によるリサーチペーパーでは、非臨床試験で約40%、Phase I で約15%、Phase II でさらに約25%、Phase III 及び申請でおのおの約2%がドロップアウトするとの報告があります。

    (参)
    1) 厚生労働省 「生命の世紀」を支える医薬品産業の国際競争力強化に向けて 〜医薬品産業ビジョンの概要〜、平成14年8月30日
    2) 山田 武、医薬品産業政策研究所 リサーチペーパーシリーズ No.8 (2001)
    回答:国際委員会
    6.2 日本では後発医薬品がなかなか普及しませんが、米国では状況が異なると聞きます。なぜ、そうした違いが生まれるのでしょうか
    A:
    後発医薬品とは、特許の切れた新薬と同じ成分を含む医薬品です。後発医薬品は既に有効性・安全性が確認された新薬であるため、開発費が安く、そのため販売価格が全くの新薬(先発品)と比較し、低く設定されております。医療費抑制の中で、米国では後発医薬品のシェアが40%(処方ベース)にもなりますが、日本では12%程度(2001年度売上)に過ぎません。この理由として、米国と日本では医薬品の価格制度(米国:会社が戦略に基づき独自に価格を設定、日本:公定価格)が異なるということが背景にありますが、それ以上に日本の医療機関側の意識にあるとの指摘があります。その背景には、後発医薬品メーカーの多くが中小企業であり、副作用や使用法に関する情報提供体制が先発品に比べて劣る(全国保険医団体連合会の後発医薬品に関する調査で、約44%の人が不満としている)こと、新薬は同じものの、その他の成分が微妙に異なることから同一の薬効が期待できないものが過去においてあったこと、また、売れ筋の医薬品を大量に製造し2〜3割で投売りするようなメーカーがあったこと、などの事情があるものと考えられます。しかし、こうした問題は規制・企業の体制の両面から改善され、また日本も医療費抑制の中、今後後発医薬品の使用は増えるものと予測されています。

    (参)
    1.2002年8月6日読売新聞及び
      http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/dr/20040713md01.htm
    2.日本製薬工業協会、我が国の製薬産業―国際競争力の視点から― 医薬産業政策研究所 平成13年5月
    3.ジェネリック医薬品の台頭 後発医薬品普及の課題 日米の現況、(株)薬業時報社 (1996年)
    回答:国際委員会
    6.1 PDAとはどういう組織ですか
    A:
    PDAは1946年に、アメリカの製薬会社に勤めていた少人数のグループによりParenteral Drug Association(無菌製剤協会)として設立された、非営利団体である。
    現在、会員数約10,500人の国際組織となっており、Chapterは、ヨーロッパ、中東、北米、アジアに広がっている。現在は無菌製剤だけでなく、全ての医薬品にかかわる技術を対象に活動範囲を広げている。 本部はアメリカ、メリーランド州ベセスタにあり、トレーニングおよび研究機関をボルチモア郊外に置いている。
    PDAはその使命として、“業界および規制当局のために、科学的に健全で現実的な技術情報と教育を提供することにより、医薬およびバイオ医薬関連技術を国際的に前進させること”としている。
    出版物としては、PDA Journal, PDA Letterなどを定期的に発行し、技術情報、ミーティング情報等を会員に提供している。
    日本にも支部(日本PDA)が1991年に設立され、厚生労働省、政府研究機関、業界、学会間の交流を通じて、医薬品の製造管理と品質管理に関する科学的な研究活動を行っている。
    詳しい情報は、www.pda.org(PDA国際本部) www.j-pda.jp(日本PDA)にアクセスしてください。
    回答:国際委員会
    go top