凍結乾燥の基礎とプロセス |
凍結乾燥プロセスの設計 |
川﨑 英典 |
要旨 医薬品製造においては、不安定な化合物の取り扱いや無菌製剤の製剤設計において凍結乾燥技術が有効な手段となる。FDA が認可したバイオ医薬品の約50% が凍結乾燥によって製造されていることからも、バイオ医薬品に対する最も一般的な製剤化戦略と言うことができる。凍結乾燥は確立された製造法ではあるが、スケールアップ理論は十分なレベルとは言い難く、商用スケールにおける凍結乾燥プロセスの制御手法も十分ではない。それゆえ、これまでの凍結乾燥方法はトライ&エラーにて条件設定がなされるケースが多く、それが品質のばらつきや製造コスト高騰の原因となっていた。上記問題の解決により、凍結乾燥技術全般の理論整備のみならず、医薬品の品質、製造性が向上することが期待される。本稿では、ラボと商用を繋ぐスケールアップ手法を解説し、既往技術の問題点を克服するべく、氷核形成技術を提案し、凍結乾燥過程への適応事例を紹介する。 |