口腔内崩壊錠と製剤機械技術の進歩 |
OD 錠製造のための乾式粒子複合化技術 |
井上 義之 |
要旨 近年、乾式粒子複合化技術は医薬品分野においても用いられるようになってきているが、OD 錠の製造に関しては、現在のところ報告されていない。そこで本文では参考のために、賦形剤を処理した事例と処方検討事例の中でOD 錠の製造に有効であると筆者が考えている事例を紹介した。 最初にOD 錠に用いられている賦形剤の一種であるマンニトールに対して、顆粒体を破壊すること無くステアリン酸マグネシウムの被覆処理が可能であることを示した。次にマンニトール粒子単品、およびステアリン酸マグネシウムを手混合、粒子複合化装置メカノフュージョンおよびノビルタを用いて混合した粉体の力学特性と打錠結果を示し、複合化処理の有効性を示した。 次に東邦大学の藤永らによって、主薬粒子を無機物粒子により複合化し、錠剤の硬度と崩壊性を同時に改善した研究例について紹介した。最後に複合化処理した微粉が母粒子から離れて来ない理由として被覆層と母粒子間に化学結合が生じている可能性を紹介した。 |