【特集】口腔内崩壊錠─添加剤─
口腔内崩壊錠用に開発された新規プレミックス添加剤の評価
竹山 武志
要旨
 近年、数多くの口腔内崩壊錠(ODT)が、患者の服用コンプライアンス向上目的に、医薬品、健康食品分野で開発され、世界中で注目されている。ODT用に使用可能な添加剤も多く開発され、昨今直打用プレミックス添加剤も世界市場で流通している。
この研究はマンニトールベースのプレミックス添加剤であるPEARLITOLFLASHを配合したタブレットの特性を探求するために行った。タブレットは直打製法によるものである。下記の条件を変動させることでのタブレットの性能を確認した。
  • 滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)添加量による影響
  • 打錠スピードの影響
  • アセトアミノフェンを用いてAPI配合量による影響
  • 滑沢剤配合率0.4%と、マンニトールベースのタブレットでは、非常に少ない滑沢剤添加で十分な直打プロセスが確認された。タブレットは良好な食感があり、崩壊時間は、打錠圧( 5 〜25kN)、打錠スピード、タブレット硬度、アセトアミノフェン配合率(50%以下)、以上のファクターに影響されることがなく、十分な硬度とフライアビリティー(1%以下)が得られた。もちろん崩壊時間はin vivoで30秒以下である。結論として、PEARLITOLFLASHは直打製法においてODT用に優れた性能を発揮する添加剤であった。