【特集】 医薬品製造現場のリスクマネジメント
医薬品製造現場の品質リスクマネジメント
寶田 哲仁
要旨
製造現場と品質リスクマネジメント(QRM)の関わりをみる時、先ずICH Q10 医薬品品質システム(PQS)ガイドラインのAnnex 2を参照すると理解しやすい。QRMは製品ライフサイクル全期間を通してのEnabler(達成のための手法)である。製品ライフサイクルにおいて製造現場が関わるのは、その製品の技術移転から製造販売を終結するまでの活動であり、製造現場にあってもQ8を含めQ-trio全てが理解の対象となることから、本稿においては以下の3事例を紹介しながら品質リスクマネジメントを通して見た製造現場(以下、製造部門)の位置付けについて考察する。
・Mock P2(CTD第2部品質に関する概括資料P2, P3, P5および第3部P2リスクアセスメント)案
(厚生労働科学研究)と技術移転について
・注射剤製造工程のFMEAによる評価事例
・QRMに基づく交叉汚染防止