技術解説[1]
医薬品添加剤の新技術シリーズ【第2回】
―乾式造粒法による打錠用 顆粒の調製と新規添加剤の利用―
フロイント産業(株) 技術開発研究所
関川 富士夫
(要旨)
 乾式顆粒圧縮法による打錠は、多くの長所が謳われている反面実際には解決しなければならない問題が多いことから、湿式顆粒圧縮法による場合と比べると実際に適用される場面は圧倒的に少ない。錠剤硬度の確保がそのような問題の一つであるが、それには造粒操作条件の影響が大きいことが従来からも報告されている。我々はローラーコンパクターを用いた場合の操作条件の最適化について検討を行い、ロール圧縮圧、ロール回転数およびスクリューフィーダー回転数により変化する圧縮成型における負荷を小さくさせる方向とすることが適切であり、それにはロール電流値が指標になることなどを見出した。しかし造粒操作条件の最適化のみでは錠剤硬度確保の点からは十分ではなく、さらに処方面からの検討も行ったが、従来医薬品分野で使用実績がほとんど見られないコメデンプンを添加剤成分に使用することが有用であるとの知見を得た。これら検討結果を紹介した。