特集:経肺投与製剤
次世代型および従来型の空気力学的粒度分布測定装置の評価に関する研究
吉田 寛幸


要旨
吸入剤が第十六改正日本薬局方へ収載されたのに続き、吸入剤の空気力学的粒度測定法(6.15)が第十七改正日本薬局方第一追補(以下、日局17-1)に収載され、3 つの測定装置が利用可能となっている。ネクストジェネレーションインパクター(NGI)は、吸入剤の詳細な粒度分布を評価可能であるが、アンダーセンカスケードインパクター(ACI)と比較して使用経験が浅く、ACI との評価結果の差異については十分な情報が得られていない。一方、ACIも日局17-1 において規定流量(28.3 L/min のみ)でのカットオフ径は示されているものの、それ以外の流量における試験の妥当性を検証する必要がある。そこで本稿では、ACI とNGI を用いて複数の試験流量で市販の吸入粉末剤を評価し、結果を比較した。両装置は、類似した空気力学的粒度分布曲線を示すとともに、換算式を用いてカットオフ径を再計算することで、規定流量以外の流量においても同程度の粒度分布パラメータを示したことから、両装置の有用性が確認された。