特集 連続生産 |
医薬品製造にパラダイムシフトを起こす |
バヤン・タキザワ、ステファン・ボーン、エリン・シェン、クリストファー・テスタ チャントン・フ、サルバトーレ・マーシャ |
要旨 多くの産業が製造手法を発展・改善させてきた一方で、製薬業界では旧態依然としたバッチプロセスが現在も利用されている。バッチプロセスには長いリードタイム、低い効率、品質上の問題といった多くの課題がある。幸いにも、多くの製薬企業が連続生産といった高度な生産技術の適用を検討し始めている。 連続生産の開発と実用化で先陣を切っているのが、マサチューセッツ州に本社を置くCONTINUUS Pharmaceuticals社である。CONTINUUS 社は、2007 年設立の6,500 万米ドルの合弁会社Novartis-MIT Center for Continuous Manufacturing から、2012 年にスピンアウトして設立された。この合弁事業においてICM(Integrated Continuous Manufacturing)という、最先端の低分子医薬品の連続生産技術プラットフォームが開発された。ICM 技術を使用した最初の実証パイロットプラントでは、バッチプロセスでは通常200 日間かかる製造時間がわずか2 日間に短縮され、製造時間のみならず、製造コスト、プラント設置面積、環境への影響、品質保証におけるメリットも示された。 CONTINUUS 社はこのICM 技術をさらに発展させ、商業化に近づけている。FDA、National Science Foundation(NSF)、および民間の製薬/ ジェネリック企業との様々なプロジェクトを通じ、ICM の利点は明確に実証されつつある。同社は現在、ICM パイロットラインを同社の施設内に構築中であり、2018 年には商業プラントのベースとして、サービスを開始する。この装置の成功は製薬業界を一変させるであろう。 |