PAT にかかわる規制 |
ASTM 規格とPAT の関連についての調査 |
平野 勝久 |
要旨 PAT を検討・導入する上で、ガイダンスや規格などは法規制対応という意味からは重要な検討対象である。PATに関連するガイダンスや規格としては、FDA が発出しているPAT ガイダンス1)とASTM 規格がある。ASTM規格は、ASTM インターナショナルが発行している規格書である。ASTM インターナショナルは、様々な領域の規格を発行しているが、製薬企業向けの規格は、FDA などからメンバーが参加しているE55 委員会で検討される。本稿では、ASTM 規格とPAT の関連について解説する。ASTM 規格の中で、E55 委員会が策定している規格がPAT を医薬品製造に適用する為の規格である。その中で、PAT 概論に関する記述の「E2474」2)、CQV とPAT に関する記述の「E2537」3)、多変量解析に関する記述の「E2891」4)はPAT との関連性が強いと思われるので内容の検討を開始した。「E2474」はプロセスデザインや工程理解の重要さが記述されている。「E2537」は、PAT がCQV の有効なツールであることが記述されている。「E2891」には、PAT で利用される多変量解析が網羅して記述されている。 今回検討した、「E2474」、「E2537」および「E2891」を通して言えることは、記述内容があくまでもガイド的レベルにとどまり実際のPAT 業務を遂行する為の技術的なポイントについてはあまり触れられていないことである。今後、PAT の検討・導入を進める上では、ASTM 規格とより専門的な技術書を組合せて利用する事が肝要である。 |