製剤へのPATの適用事例
医薬品固形製剤の連続生産におけるPATの活用
寺田 敬


要旨
近年、医薬品固形製剤の製造において連続生産が注目を集めている1)。PAT(Process Analytical Technology)機器の進歩により工程中に中間製品の物性を直接測定でき、連続生産であっても品質の保証が容易となってきた事とあわせて、バッチ生産では必須のスケールアップが不要となり開発期間やコストの低減が可能となる事、設置スペースの削減ができる事などメリットが明らかになったためと考える。連続生産では、安定した製品を得るために物性の測定および必要に応じてフィードバックによる制御が必要となる。本稿では、連続生産の方式(完全連続式とバッチ連続式2))と夫々の方式における製品物性測定頻度や制御に要する時間の違いについて、測定・制御という面から連続生産を概説し、連続造粒乾燥システムにおけるPAT の実例を紹介する。